コートを買いに行く。 - ワンモア、ユーモア

昨年購入した秋物のコートをいたく気に入ってしまい、異例の寒波、風雪も我関せずといった感じで、そればかりを来る日も来る日も着ているのだが、いい加減もう少し防寒性能を有した外套は無いものかと、新宿へのこのことやって来た。
何軒か店を回ると、どの店もセール、クリアランスなどという威勢のいい文句が並べられているにも関わらず、対象商品は少なく、どれもこれも珍奇な色、及び珍妙な形をしたものばかりであって、安くなっていたとしても、とても買う気にならんものばかりである。
どうやら世間では元旦及びその前後からセール期間なるものが開始され、その時期に店に趣きドアの前に整列、ときに整理券などを受け取り、怒号、嗚咽の飛び交う中、押され蹴られ殴られしながら、やっとのこと服に手を伸ばして、といったプロセスを経ることによって、はじめてセールの享楽にふけることができるのである。
そういう訳で、コートを購入できなかった私は、皮下脂肪でも増やしたろか、などと自暴自棄に天丼などを食し、本を購入して帰宅。