2日目 ウィーン放浪

2008/3/12 雨のち晴れ
2日目はウィーン市内を巡ることにした。


朝、楽友協会で今日のウィーン交響楽団のコンサートチケットを受け取った。日本からインターネットで予約しておいたのだ。予約確認書をプリントアウトするのを忘れるべからず。


近くの駅から地下鉄に乗って、シェーンブルン宮殿に向かう。駅から宮殿までは10分以上歩く。雨は降っているが面倒なので傘はささなかった。とぼとぼと私の歩く横を、日本人学生と思しき若者男女数十名を乗せた観光バスが通り過ぎて行った。乗りたい。そんな邪念を振り払いながら、ようやく宮殿に到着した。


宮殿の中はなるほど立派である。マリーアントワネット、ナポレオン、など世界史上の超有名人が一時期過ごしたというだけでもミーハーな私はお腹いっぱいである。見学中は都内四年制女子大生グループ(推定)とずっと一緒だった。これはもちろん偶然。


宮殿を出ると、遥か遠く丘の上に何やら建築物が見える。これはGlorietteというらしく、眺めがよいため、かのマリア・テレジアが好んで朝食を食べた場所らしい。天気も悪く眺めも期待できないが、とりあえず行ってみることにした。


10分後。


15分後。


20分後。疲れた。


眺めた。おお。お?


歩きすぎて腹が空いた。地下鉄に乗り、市内中心部に戻る。ウィーン工科大学の近くのカフェ・シュペルルに向かった。雨も強くなってきた。地図には載っていたが、結構分かりにくいところにあって着いた頃にはずぶ濡れで、店からちょうど出てきたおばさんがびっくりしてた。相変わらず私は傘をさしていないのであった。


シュペルルはのんびりできるよいカフェであった。禁煙席の隣に何の隔てもなく喫煙席があって面白かった。ウィーンのカフェからは煙草を奪ってはいけない気がするのでよいと思う。


昼食後、美術史美術館へ行った。ようやく雨がやみ、雲の切れ間から青空が見えてきた。さて、美術関係に疎い私は、さんざん素晴らしい絵画を見た挙句、やっとブリューゲルが親子であるということに気がついた。ElderとかYoungerと書いてあって気になってはいたが。


10分ほど歩いてカプツィナー教会に着いた。ハプスブルグ家の遺体が安置されている場所である。日本だったら考えられないが、皇帝やら皇妃やらの棺がずらずらと並んでいるところに入れるのである。私が入ったときは、ほとんど見学客がおらず異様な静けさだった。あまりの重苦しさに圧倒された。


外に出ると、相変わらずケルントナー通りは賑やかであった。そして相変わらずシュテファン大聖堂はレンズに収まりきらなかった。



一旦ホテルに戻り、ジャケットを着てネクタイを締めて楽友協会へ。よく考えてみるとクラシックのコンサートを聴くのはこれが始めてだった。なかなかいいもんだなぁと耳を傾けていると、隣のおじさんから寝息が聴こえてきて、気がつくと私も数分意識が飛んでいた。


コンサート終了後、再びケルントナー通りへ向かい、昨日行き損ねたカフェ・ハヴェルカを訪ねた。昼のシュペルルとは異なり、薄暗くて雑然としている。適当に空いている席に着くと、店員がやってきた。メニューをくれと言うと、そんなもの無いというのでメランジェを頼んだ。ハヴェルカはとにかく人気があるようだ。どんどん客がやってきて、あちこちで相席になっていた。最後にビールを一本飲んで、ホテルへ帰った。トラムがなかなかやって来なかった。