湯川潮音を見てきた

東大の五月祭に湯川潮音が来るというので見に行ってきました。私が早目に到着すると、医学部の講堂の横にちょこんと建てられたステージがあって、客もまばらで、本当にこんなところに来てくれるのだろうかと不安を覚えてしまった。辺りを見渡すと、大きな画用紙に出演者の名前がマジックで書いてあって、確かにその中に湯川潮音とあるので、一応確からしかった。ステージから3メートル手前くらいの位置に陣取って、登場を待った。


雨もやんで、少しずつじめじめとした空気に覆われはじめた頃、彼女は現れ、私の3m前のステージ上の小さなイスに腰掛け、ギターを抱えた。さぁ、始まりかと思ったら機材トラブルのため一旦ステージを離れてしまった。その間、彼女は建物の横で他の出演者と楽しそうにお話をしていた。なんとなく普段の様子を垣間見れたような気がして得した気分。


20分くらい待って、ようやくステージに戻ってきた。「今日はいろいろありそうですね」と呟いたかと思うと、"The water is wide. I can't cross over."と歌い始めた。映画、リンダリンダリンダで歌ってた例のやつです。数十メートル後ろの、テニサー諸君によるチュロスだのクレープだのを売るための大騒ぎが全く無くなったかと思うほど、その力強くて優しい声に耳が引き寄せられていくような感じがした。ライブは30分くらいで終わったが、とても心地よい午後だった。


一刻も早く、湯川潮音(とできれば蒼井優)を人間国宝にすればいいと思う今日この頃。