うらやましい人々

風は強いが、優しい陽射しは春の訪れを感じさせる。そんな中、銀座に買い物へ出かけようと思ったのだが、春は着るものに困る。大体、10着買えば8着は黒い服になってしまうのが問題で、冬にいたってはマトリックスのネオと見間違えられて、わけのわからんサングラスの男と戦う羽目になることもしばしばだ。

とは言え、季節感が出せないという理由で引きこもるのもおかしな話なので、ほんのちょっとピンクの入ったTシャツに黒いジャケットを合わせて、銀座へやって来たのだった。ピンクイコール春というのが短絡的ではあるがしかたあるまい。
街を歩く人を見て思ったのだが、明らかに春っぽい服装をしているのは1割程度だということだ。なぁんだ。そんなに気にしなくていいのだな。と、一安心しつつも、やはり見事な色合いの御婦人方の服装は見ているだけでも心地がよい。白っぽいコートの下に白いシャツと鮮やかな緑のセーターとデニム。こういう色使いのうまさは女性にはかなわない。こういうセンスのある人はうらやましい。

そして私はまた、有楽町の無印良品で性懲りも無く黒いパンツとチャコールグレーのパーカーを購入したのだった。まぁ、しょうがない。レジのおねえちゃんがかわいかったから。白いシャツがよく似合ってたなぁ。

昼食は銀座ライオン。どうしても、どうしても黒エビスが飲みたかったのだが、昼から顔を赤くして銀座をぶらつくわけにも行かないので我慢した。何よりうらやましいのは、酒を飲んでも顔に出ない人だな。